ヴァンズとザ・ノース・フェイスの親会社の収益は7四半期連続で減少した。

ヴァンズとザ・ノース・フェイスの親会社の収益は7四半期連続で減少した。 - 加奈ショップ

2024年度決算で明らかになった業績悪化

世界的なアパレルブランドを擁するVFコーポレーション(以下、VF社)は、現地時間5月22日に2024年度決算を発表しました。同社の決算報告によると、売上高は7四半期連続で減少するという厳しい結果となりました。VF社はヴァンズ(Vans)、ザ・ノース・フェイス(The North Face)、シュプリーム(Supreme)など、若者からアウトドア愛好者まで幅広い層に支持される人気ブランドを傘下に持つにもかかわらず、このような長期にわたる業績不振が続いています。

各ブランドの業績動向

VF社の主力ブランドであるヴァンズは、スケートカルチャーを代表するシューズブランドとして世界的な人気を博してきました。しかし近年では、若者のファッション嗜好の変化や競合他社の台頭により苦戦を強いられています。特に北米市場での売上減少が顕著で、これが全体の業績を押し下げる要因となっています。

一方、アウトドアブランドのザ・ノース・フェイスは比較的堅調な業績を維持しているものの、世界的な経済不安や消費者の支出抑制傾向により、成長ペースが鈍化しています。2021年に買収したストリートウェアブランドのシュプリームについても、当初期待されたほどの収益貢献が実現できていない状況です。

業績悪化の背景と要因分析

専門家によると、VF社の長期にわたる業績不振には複合的な要因が絡んでいると指摘されています。第一に、パンデミック後の消費動向の変化が挙げられます。リモートワークの普及により、カジュアルシューズの需要が減少したことがヴァンズの業績に影響を与えました。

第二に、サプライチェーンの混乱と原材料費の高騰です。VF社はグローバルに展開する企業として、物流コストの上昇や調達難に直面し、これが利益率の低下につながっています。さらに、為替変動の影響も無視できません。特に円安ドル高の進行は、日本市場での収益をドル換算した際にマイナスに働いています。

第三に、ブランドポートフォリオの最適化が課題として挙げられます。VF社は過去に多数のブランドを買収してきましたが、近年は非中核事業の売却を進めています。しかし、ブランド間のシナジー効果を十分に引き出せていないことが、経営効率化の遅れにつながっているとの見方もあります。

今後の経営戦略と市場予測

VF社の経営陣は、業績回復に向けて幾つかの施策を打ち出しています。まず、デジタルトランスフォーメーションの加速です。EC(電子商取引)チャネルの強化とデータドリブンなマーケティングへの転換を図り、消費者の購買行動変化に対応する方針です。

次に、サステナビリティ戦略の推進が挙げられます。ザ・ノース・フェイスを中心に、環境配慮型商品の開発とサプライチェーンのグリーン化を進めることで、環境意識の高い消費層の獲得を目指します。

また、アジア市場、特に中国での事業拡大にも注力する方針です。中国では中間層の拡大とアウトドア活動の人気上昇を受けて、ザ・ノース・フェイスの需要が堅調に推移しています。現地パートナーとの協力を強化し、市場シェア拡大を図る構えです。

アナリストの間では、VF社の業績回復にはまだ時間がかかるとの見方が支配的です。2024年度後半から2025年度にかけて、緩やかな改善が見込まれるものの、7四半期連続の減収という状況から抜け出すには、より抜本的な経営改革が必要だとの指摘もあります。

街面ニュース記者:朱永玲、街面ニュース編集者:楼其琴

公開日:2024年5月23日

カテゴリ:アパレル業界、企業決算、経済ニュース

リリース時間: 2025-12-07 01:08:26