Supremeの黄金時代
ストリートウェア人気がピークを迎えていた時代、Supremeは紛れもなく「王者」でした。1994年にニューヨークで誕生したこのブランドは、スケートボードカルチャーをルーツに持ちながら、次第にファッション業界全体に大きな影響力を及ぼす存在へと成長しました。
特に2010年代前半はSupremeの絶頂期と言えるでしょう。ニューヨークとロンドンでの限定発売には夜通し行列ができ、発売日前日からテントを張って待つ熱狂的なファンも少なくありませんでした。元々数百元だったTシャツが中国市場では数千元で転売されることも日常茶飯事で、ロゴ入りのレンガでさえ、数百ドルの高値で取引されることがありました。
中国市場での爆発的人気
中国、特に上海を中心とした沿岸都市では、Supremeは単なるファッションブランドを超えた文化的アイコンとしての地位を確立しました。2017年に上海に初の公式店舗がオープンした際には、数千人のファンが詰めかけ、周辺の交通が麻痺するほどの騒ぎになりました。
中国市場におけるSupremeの人気の背景には、以下のような要因が考えられます:
- 限定品という希少性が富裕層のステータスシンボルとして機能
- 欧米発のストリートカルチャーへの憧れ
- SNSを通じたバズマーケティングの効果
- 転売市場の活発化による価格の高騰
変化するストリートウェア市場
しかし、ニューヨークでこれほどセンセーショナルなイベントを開催したにもかかわらず、近年のSupremeには陰りが見え始めています。2020年にVFコーポレーションによる買収が発表されて以降、ブランドの商業化が進み、かつてのアンダーグラウンドな魅力が薄れてきているとの指摘もあります。
さらに、中国市場では「Supreme Italia」などの偽造ブランド問題が深刻化し、本物のSupremeの価値が問われる事態も発生しています。また、GucciやLouis Vuittonなどの高級ブランドがストリートウェア市場に参入したことで、競争環境も激化しています。
ストリートウェアの未来
現在、上海を中心とした中国のストリートウェア市場は、Supreme一強時代から多様化の時代へと移行しつつあります。地元発のブランドや、韓国発のストリートウェアブランドも台頭しており、消費者の選択肢が広がっています。
それでも、Supremeがストリートウェアの歴史に残した功績は計り知れません。ブランドが築き上げた「限定品カルチャー」や「ドロップ販売」の手法は、現在の多くのファッションブランドに影響を与え続けています。上海のストリートシーンにおいても、Supremeは依然として特別な存在であり続けているのです。
