VFコーポレーションの戦略的見直し
2024年5月20日、グローバルアパレル大手VFコーポレーションが投資銀行ゴールドマン・サックスと提携し、同社の投資ポートフォリオに対する包括的な評価を開始したことが明らかになりました。この動きは、同社が現在保有するブランド群の再編を検討している可能性を示唆しています。
特に注目を集めているのは、VFコーポレーション傘下のアメリカ発ストリートウェアブランド「Supreme」が潜在的な買い手と接触しているという報道です。業界関係者によれば、VFコーポレーションはSupremeを含む複数のブランドについて戦略的オプションを検討しているとのことです。
Supreme買収の経緯と現状
VFコーポレーションは2020年、約21億ドル(当時約2,200億円)でSupremeを買収しました。この買収はストリートウェア市場における同社の存在感を高める戦略的一歩と見られていました。しかし、近年のアパレル市場の変化や消費者の嗜好の多様化に伴い、Supremeブランドの成長が鈍化しているとの指摘があります。
アナリストの間では「VFコーポレーションがSupremeの売却を検討している背景には、同ブランドの収益性の低下だけでなく、コアブランド(The North FaceやVansなど)への経営資源集中を図りたいという思惑がある」との見方が強まっています。
業界専門家の見解
ファッション業界アナリストの田中宏氏は「Supremeは依然として強いブランド力を持っていますが、ストリートウェア市場の成熟化に伴い、成長戦略の見直しが必要な段階に来ている」と指摘します。
さらに「VFコーポレーションにとって、Supremeは買収当初期待したほどのシナジー効果を生んでいない可能性がある。特にデジタル分野での展開が遅れていることが課題として挙げられる」と分析しています。
今後の展開予想
現時点で、VFコーポレーションは正式なコメントを控えています。北京ビジネストゥデイが同社に取材を申し込んだものの、記事執筆時点では回答を得られていない状況です。
市場関係者の間では「6月末までに何らかの発表があるのではないか」との観測も出ています。特に、プライベートエクイティファンドやアジアの大手アパレル企業が潜在的な買い手として名前が挙がっているようです。
今回の動きは、ストリートウェア市場全体の再編の始まりを示唆するものとして、業界全体が注目しています。Supremeの売却が実現すれば、2024年アパレル業界最大のM&A案件の一つとなる可能性があります。
消費者の反応
SNS上では「Supremeがまた独立するなら歓迎」「VF傘下になってからオリジナリティが失われた」などの声が上がっています。一方で「新しいオーナーによってブランドがさらに商業化されるのでは」と懸念する声も見られます。
今後の展開次第では、Supremeのブランド戦略やコラボレーション方針にも変化が生じる可能性があり、ストリートウェア愛好家の間で話題を集めています。
