主要財務指標が市場予想を上回る好決算
ナイキ・インク(NYSE: NKE)は2024年3月21日(米国東部時間)、2024年度第3四半期(2023年12月1日~2024年2月29日)の決算を発表しました。同四半期の売上高は124億2,900万ドル(約1兆8,700億円)に達し、アナリストの市場予想を上回る結果となりました。前年同期比では横ばいとなりましたが、通貨換算影響を除くと微増を示しています。
純利益は11億7,200万ドル(約1,750億円)と、こちらも市場予想を上回りました。グローバルなサプライチェーン最適化や製品ミックス改善が利益率拡大に寄与したことが要因として挙げられています。
中国市場で6四半期連続の成長持続
特に注目されるのは中国市場のパフォーマンスで、6四半期連続の成長を記録しました。現地ブランド「NIKE」と「JORDAN」の両ブランドが堅調に推移し、Z世代を中心とした若年層からの支持を拡大しています。
中国市場における成長要因として、以下の戦略が功を奏しています:
- 現地消費者向けの製品ローカライゼーション強化
- WeChatや小紅書(RED)を活用したデジタルマーケティング
- 都市部以外の低線級都市への販売網拡大
ソーシャルeコマースへの投資拡大を表明
ナイキは今期決算で、ソーシャルeコマース戦略へのさらなる投資を明言しました。具体的には:
- ライブコマース機能の強化(TikTokショップなど)
- インフルエンサーとの協業拡大
- AR(拡張現実)を活用した仮想試着体験の提供
- ソーシャルメディアとECプラットフォームのシームレス連携
同社のジョン・ドナホーCEOは「デジタルネイティブ世代との接点強化が成長の鍵」と述べ、DTC(直接消費者)戦略の一環としてソーシャルコマースを位置付けています。
地域別・カテゴリー別の業績動向
地域別では:
- 北米市場:前年同期比3%減
- EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域:2%増
- アジア太平洋&ラテンアメリカ:5%増
製品カテゴリー別では:
- フットウェア:全体売上の67%を占め安定成長
- アパレル:ジョガー需要の高まりで4%増
- アクセサリー:8%増と高い伸び
今後の事業展望
ナイキは2024年度通期の売上成長率について、通貨換算影響を除き中一桁%台の成長を見込んでいます。特に以下の分野に注力する方針です:
- サステナブル素材の採用拡大(2025年までに廃棄プラスチック使用量50%削減目標)
- 女性向け製品ラインの拡充
- メンバーシッププログラムのグローバル展開
- AIを活用したパーソナライゼーションサービスの強化
アナリストからは「中国市場の回復ペースとソーシャルコマース投資のROI(投資対効果)が今後の注目点」との指摘が出ています。
