天猫初のブランドカスタマイズゾーン誕生
2023年10月20日、ナイキは中国最大級のショッピングイベント「ダブル11」に向け、天猫(Tmall)と共同で画期的な会員プログラムを発表しました。この取り組みは単なるセールスプロモーションを超え、デジタル時代のスポーツブランドと消費者の新たな関係構築を目指すものです。
特に注目されるのは、天猫プラットフォームで初めて実現した「ブランド会員カスタマイズゾーン」。ナイキ会員は専用ページで、自身のスポーツ習慣に合わせた商品レコメンデーションや限定カラーバリエーションなど、パーソナライズされたショッピング体験が可能になりました。
3つの革新ポイントで競合と差別化
- データ連携の深化:ナイキ公式アプリと天猫会員データを初めて統合、購買履歴に基づく精度の高いサービス提供
- インタラクティブ体験:AR仮装試着やバーチャルランニングコースなどデジタル技術を駆使した新体験
- 段階的特典制度:年間購買額に応じてVIP会員に昇格、限定商品の優先購入権やプロアスリートとのオンラインイベント参加権を付与
消費行動の変化に対応した戦略
近年の中国市場では、特にZ世代を中心に「商品そのもの」より「ブランド体験」を重視する傾向が強まっています。ナイキのマーケティング責任者によると、今回のプログラムは「単に安く売るのではなく、ブランドの価値観を共有できるコミュニティを作りたい」という考えに基づいています。
実際、プレオーダー期間中には、限定版スニーカーの予約購入者を対象に、上海・北京・成都で開催される「ナイキ・ラン・クラブ」への招待特典が用意されるなど、オンラインとオフラインを融合させた施策が特徴的です。
持続可能な消費を促進する試み
環境配慮の観点から、会員プログラム参加者には「リサイクル素材使用商品」購入時に追加ポイントが付与される仕組みを導入。さらに、古着回収プロジェクトとの連動で、着なくなったスポーツウェアを持ち込むと新作購入クーポンが獲得できるキャンペーンも実施されます。
ナイキのサステナビリティ担当者は「ダブル11という消費の祭典でこそ、責任ある消費の重要性を伝えたい」と語り、売上拡大と環境負荷軽減の両立を目指す姿勢を強調しました。
今後の展開と業界への影響
アナリストによれば、このような高度な会員統合プログラムは、スポーツアパレル業界で新たな標準となる可能性があります。特に、ブランドの直販(DTC)戦略とECプラットフォームの連動モデルとして、他社も追随する動きが出始めています。
ナイキではダブル11終了後も、獲得した会員データを活用した年間を通じたエンゲージメント強化を計画。2024年にはAIを活用した完全オーダーメイドシューズの予約受付を会員限定で開始する予定です。
